電気自動車(EV)の普及とともに増えている「急速充電器」。その中でも全国のイオンモールに設置されている充電サービスは、30分300円(税込)という安さと、買い物中に充電できる手軽さが大きな魅力です。約25kWhを充電できるため走行距離の回復も十分で、他社と比べてもコストパフォーマンスに優れています。一方で、休日は混雑やガソリン車の誤駐車など注意点もあり、自宅充電や太陽光発電との併用が効率的です。本記事ではイオン充電の基本情報、メリット・デメリット、他社や自宅との比較をわかりやすく解説します。
イオンのEV急速充電の基本情報
イオンの急速充電サービスは、EVユーザーにとって利用しやすい仕組みが整っています。ここでは料金や出力、設置場所、利用可能時間、支払い方法などの基本情報をまとめます。
1. 利用料金
急速充電器は10分ごとに税込100円で利用でき、最大30分まで充電可能です。つまり、フルに利用した場合でも30分で300円と非常にリーズナブルな料金設定になっています。短時間のちょい足し充電から、買い物中のフル充電まで柔軟に使えます。
2. 充電出力
イオンの急速充電器は一般的に50kW前後の出力が多く、短時間でもある程度の電力量を補充できます。車種によっては20〜30分で航続距離を100km前後伸ばすことが可能です。
3. 設置場所
充電器は主にイオンモールやイオンタウンの駐車場に設置されています。買い物や食事の合間に充電できるため、待ち時間を有効活用できるのが大きなメリットです。
4. 利用可能時間
多くのイオンでは24時間利用可能ですが、店舗や施設によっては深夜帯に利用できない場合もあります。事前に公式サイトや現地案内を確認しておくと安心です。
5. 支払い方法
支払いはWAONカード決済、またはNCSマークの付いた充電カードに対応しています。特にWAONはイオンでの買い物でも使えるため、ポイント活用との相性も抜群です。
なぜイオンのEV急速充電は安いのか?
イオンの急速充電が「30分300円」と他より安いのには、いくつかの理由があります。
理由① 商業施設内に設置されている
イオンの急速充電器は、多くがショッピングモールや大型スーパーの駐車場に設置されています。設置や管理コストをテナント収益や商業施設全体で補えるため、充電サービス単体で利益を追求する必要がなく、低価格が実現しています。
理由② 集客効果と電子マネーによる囲い込み
充電している間に買い物や食事をしてもらうことで店舗の売上につながるため、イオンは充電料金をあえて安くしています。さらにWAON決済を推奨することで、利用者を電子マネーの会員として囲い込み、長期的な顧客として定着させる狙いもあります。こうした「集客+決済サービス拡大」の相乗効果が、安さの背景にあります。
他の充電サービスとの料金比較(最新)
イオンの30分300円がどれくらい割安か、主要サービスと仕組み別に比較します。料金や課金方式は地域・時期・プランで変わるため、利用前に必ず公式アプリや現地表示をご確認ください。
サービス | 課金方式・料金(目安) | 補足 |
---|---|---|
イオン(WAON決済) | 急速:30分300円 普通:1時間120円 |
店舗で異なる場合あり |
e-Mobility Power(eMP) | 急速(50kW以下):275円+55円/分 急速(50kW超):385円+77円/分 普通:132円+8.8円/分 |
時間課金+初期固定料金 |
ENEOS Charge Plus | シンプル:46.2円/分 プレミアム:22円/分 |
月額プランで割安 |
EV充電エネチェンジ | 普通:10分55円〜 急速(ローミング):50kW以下55円/分、50kW超77円/分 |
アプリ課金/出力連動 |
日産 ZESP3 | プレミアム100超過:44円/分 200:38.5円/分 400:33円/分 シンプル:99円/分 |
ディーラー充電が中心 |
テスラ スーパーチャージャー | 概ね50〜60円/kWh | 出力が非常に高い |
※例:eMP急速(50kW以下)を30分連続利用すると約1,650円(=275円+55円×25分)、50kW超では約2,310円。イオンの300円/30分と比較すると大きな差が出ます。ただし出力(充電速度)はeMPやテスラが有利な場合もあり、使い分けが重要です。
参考リンク
各社の公式サイトでは、最新の料金やサービス詳細を確認できます。実際に利用する際は必ず公式ページで最新情報をご覧ください。
- イオンEV充電:
イオン急速充電 料金案内(30分300円/普通1時間120円) - e-Mobility Power:
e-Mobility Power EV充電 公式サイト - ENEOS Charge Plus:
ENEOS Charge Plus EV充電サービスページ - EV充電エネチェンジ:
エネチェンジ EV充電 公式サイト - 日産 ZESP3:
日産 ZESP3 EV充電プラン・料金 - テスラ スーパーチャージャー:
テスラ スーパーチャージャー EV急速充電 公式案内
公式サイトは随時更新されるため、料金やサービス内容が変更される場合があります。実際の利用前に必ず最新情報を確認しておくと安心です。
イオンEV急速充電のメリットと注意点
メリット
- 料金が安い:急速充電が10分100円(税込)で利用可能。30分充電しても300円と、他社に比べて圧倒的に安い。
- WAON決済に対応:高額な月会費や専用の充電カードが不要。WAONがあれば都度利用でき、気軽に使える。
- 買い物ついでに充電できる:イオンモールの駐車場に設置されているため、ショッピングや食事の合間に効率的に充電可能。
高額な月会費や充電カードを契約しなくても、WAONでその都度支払えるのがとても便利だと思いました。
「使いたいときだけ、安く充電できる」という点で、普段は自宅充電をメインにしている人にも相性が良いです。
注意点
- 出力は50kW前後:最新の150kW級急速充電器に比べると充電速度は遅め。
- 利用時間は店舗により異なる:多くは24時間対応だが、モールによっては利用時間が制限されている場合がある。
- 混雑の可能性:特に土日や連休は利用者が多く、待ち時間が発生することがある。
土日は「使おうと思ったらすでに埋まっている」ことがよくありました。
また、ときどき電気自動車ではない車が誤って駐車していて、充電できないことも…。
休日に使う場合は、混雑や利用不可のリスクをあらかじめ想定しておいた方が安心です。
私の体験談として、自家用車のリーフ40kWhモデルでイオン急速充電を利用した際には、バッテリー残量25%ほどから80%超えまで充電できました。充電は残量が増えるにつれてスピードが落ちていくため、残量が少なめのタイミングで利用すると効率が良く、コストパフォーマンスも高くなります。外出先での充電計画の参考にしてみてください。
自宅充電との併用術とコスト比較
充電方法を選ぶ際は、コスト・時間・バッテリー寿命の3つの視点で考えるのがおすすめです。イオンの急速充電は「外出先で短時間にしっかり充電したいとき」に便利ですが、普段は夜間電力プランや太陽光発電を利用した自宅充電と組み合わせるやり方がおすすめです。
充電方法 | 料金目安 | 25kWh充電時のコスト | 特徴 |
---|---|---|---|
イオン急速充電 | 100円 / 10分 (最大30分300円) |
約300円 | 外出先で短時間に補充(約25kWh) |
自宅充電(深夜電力) | 約25円 / 1kWh | 約625円 | 毎日安定して充電可 |
太陽光発電 | 約16円 / 1kWh | 約400円 | 余剰電力を有効活用 |
この比較からも分かるように、イオンの急速充電は25kWhで300円と破格の安さです。ただし「自宅+太陽光」での充電は毎日のベース利用に適しており、結果的に車の維持コストを下げられます。 さらに自宅の普通充電は、自宅から出かける必要がなく、夜の間に自動的に充電が完了する利便性があります。また、急速充電に比べてバッテリーへの負荷が少ないため、寿命を延ばす効果も期待できます。 平日は自宅充電、遠出の際はイオン急速充電を補助的に活用するのが、もっとも経済的かつバッテリーに優しい併用術といえるでしょう。
まとめ
イオンのEV急速充電サービスは、「安さ」「手軽さ」「ショッピング中に充電できる便利さ」が大きな魅力です。特に30分300円で約25kWh充電できるコストパフォーマンスは、他社の急速充電サービスと比べても圧倒的に優れています。
一方で、土日など混雑時には順番待ちが発生したり、充電スペースに誤ってガソリン車が駐車していることもあるため、注意が必要です。利用可能時間や設置場所も店舗によって異なるため、事前に公式サイトやアプリで確認しておくと安心です。
また、自宅充電との比較では「コスト」「時間」「バッテリー寿命」の3つの視点が重要です。イオンの急速充電は遠出や急ぎのときに最適ですが、普段は自宅の普通充電や太陽光発電を活用することで、より経済的かつバッテリーに優しい運用が可能になります。
結論としては、イオン急速充電を“外出先の補助的な充電スポット”として活用しつつ、自宅充電をメインにするのが、もっとも賢く安心なEVライフのスタイルといえるでしょう。 これからEVを検討している方や、既に所有している方も、自分の生活スタイルに合わせて上手に使い分けてみてください。
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