ワシントンDC出身の新星、ベン・シェルトン(Benjamin Todd Shelton)。2025年8月時点で世界ランキング6位に到達し、ATPマスターズ1000やグランドスラムでの成功、圧倒的なサーブと左利きの角度を駆使したプレーで注目を集めています。この記事では、最新の信頼性ある情報をもとに、プレースタイル、戦績、ギア、家族、プライベートの全貌を、詳しくかつ初心者にも分かりやすく解説します。
最新プロフィール
生年月日・出身:2002年10月9日、アメリカ・ジョージア州アトランタ生まれ(現在22歳)。
身長・利き手:身長193cm、左利き、両手バックハンド。
大学時代:フロリダ大学所属。2022年にNCAA男子シングルス選手権で優勝。
プロ転向:2022年夏、大学を中退してプロ転向。
コーチ:父で元プロ選手・大学監督のブライアン・シェルトンがメイン監督。Dean Goldfine氏が帯同。
ランキング:2025年8月4日付の世界ランキングで自己最高6位。ダブルスは2024年5月に最高68位。
プレースタイルの特徴
〈攻撃の源:サーブ〉
最高150 mph(約241 km/h)に達する強力な1stサーブに加え、スライスやキックを混ぜた戦略的な配球を得意としています。特にデュースサイドのワイド、およびアドサイドのTへのサーブが目立ちます。
〈強烈なフォアハンド〉
高い打点からの強打でポイントを奪う爆発力のあるフォア。リターンゲームでも強く、早いタイミングで攻撃に転じられる能力があります。
〈進化するバックハンドとラリー〉
スライスやブロックで守備に安定感があり、長いラリーにも耐える持久戦型へ成長しています。
〈ネットプレーへの積極性〉
サーブ&ボレーやリターンダッシュを自在に駆使し、試合を展開する多才さを持ちます。
〈魅せるキャラクター〉
観客を巻き込むプレーと豊かな感情表現で“見て楽しい選手”。決め球後に電話を切るしぐさを見せた話は有名です。
〈遅咲きスタートの異色経歴〉
本格的にテニスを始めたのは12歳から。多くのプロが幼少期から始める中、異例のスタートを切り、それでも驚異的なスピードで成長しました。
ベン・シェルトンのサーブの速さ
シェルトンのサーブはツアーでも屈指。最高で150mph(約241km/h)を記録。2023年の全米オープンでは149mphを2本叩き込み、観客を驚かせました。スピードだけでなく、キックサーブやスライスを混ぜることでコースを読ませないのも強みです。
戦績&ランキング推移
- 2022年:NCAA優勝、プロ転向。チャレンジャーで3大会連続優勝。年末には97位に。
- 2023年:全豪ベスト8、全米ベスト4。ジャパン・オープンで初優勝。上海マスターズベスト8。
- 2024年:ヒューストン優勝。全仏ベスト16。アメリカ男子No.1に。
- 2025年:全豪ベスト4。カナダ・マスターズ1000で優勝。世界6位に到達。
四大大会での成績
大会 | 最高成績 | 年 |
---|---|---|
全豪オープン | ベスト4 | 2025 |
全仏オープン | ベスト16 | 2025 |
ウィンブルドン | ベスト8 | 2025 |
全米オープン | ベスト4 | 2023 |
同世代ライバルとの比較
シェルトンは同世代のカルロス・アルカラス(2003年生)やヤニック・シナー(2001年生)と比較されることが多い選手です。アルカラスはオールラウンダー、シナーは安定したストロークが強み、シェルトンは爆発的なサーブとフォアが特徴と、それぞれに異なる個性があります。
日本での活躍
2023年10月、東京・有明で行われたジャパン・オープン(ATP500)はベン・シェルトンにとってキャリアの大きな転機となりました。これがプロ転向後のキャリア初優勝であり、世界にその名を知らしめる大会となったのです。
大会では持ち味のサーブが炸裂。最速240km/h超の1stサーブを武器に安定してポイントを重ね、サービスエースを量産しました。準決勝ではアメリカの同胞マッケンジー・マクドナルドを破り、決勝ではロシアの実力者アスラン・カラツェフを6-1, 6-4のストレートで撃破。わずか67分という圧巻の内容で、初来日ながら堂々たる優勝を飾りました。
特に決勝ではファーストサーブの得点率が80%近くに達し、ラリー戦でも強烈なフォアハンドを軸に主導権を握り続けました。観客席からはサービスエースが決まるたびにどよめきと拍手が湧き上がり、日本のファンに強烈なインパクトを残しました。
試合後のインタビューでシェルトンは「日本のファンはとても温かく、応援が大きな力になった。初来日で最高の思い出ができた」と語り、コート上で見せた明るい笑顔とパフォーマンスは多くの日本のファンを魅了しました。以降、SNS上では「また東京で見たい」「生でサーブを体感したい」といった声が多く上がり、日本国内でも人気急上昇となりました。
この優勝でATPランキングを大きく上げただけでなく、スポンサーやメディアからの注目度も一気に高まりました。日本は彼にとって「初タイトルの地」として特別な場所であり、今後も再来日が期待されています。仮に再び有明のコートに立つことがあれば、日本のファンにとって大きな話題となることは間違いありません。
使用ラケットとギア
ベン・シェルトン ラケット Yonex
使用モデルはYonex EZONE 98。98平方インチ、16×19のストリングパターン。プロ仕様にカスタマイズされています。ストリングはPoly Tour StrikeとPoly Tour Proのハイブリッド。テンションは57/54lb前後。グリップはYonex Excel Pro、オーバーグリップはSuper GrapやTourna Gripを使用しています。
シューズ・ウエアはスイスのOn。シューズはTHE ROGER Pro 2。スポンサーにはROLEXも加わり、ツアー内外で存在感を示しています。
家族|父・母・両親の影響
父:ブライアン・シェルトン
ベンの父ブライアン・シェルトンは、1991年にプロ転向し、ATPツアーでシングルス最高ランキング55位を記録。1991年のATPニューサウスウェールズオープンでツアー初優勝を飾り、ダブルスでも複数のタイトルを獲得した実績を持ちます。引退後はコーチ業に転じ、ジョージア工科大学女子チームの監督としてNCAAトーナメントで成果を収めたのち、フロリダ大学男子チームの監督に就任。2021年にはチームをNCAA全米王者へ導く名将としても知られています。現在は息子ベンの専属コーチとしてツアーに帯同し、父子二人三脚で世界の舞台に挑んでいます。
母:リサ・ウィツケン・シェルトン
母リサもテニスに深く関わる存在で、ジュニア時代に活躍した経験を持ちます。母方の家系もスポーツ色が濃く、特に兄であるトッド・ウィツケンは1980年代から90年代にかけて活躍した元ATPプロ。シングルス最高19位、ダブルス最高4位を記録し、全米オープンやウィンブルドンでベスト8入りするなど世界のトップクラスで戦った実績があります。残念ながらトッドは1998年に病気で他界しましたが、その才能と闘志はベンにも受け継がれています。
テニス一家の環境
父がプロ選手・監督、母が元ジュニア選手、叔父が世界のトッププロという環境で育ったベンは、幼少期から自然とテニスに親しんでいました。ただし父は「幼い頃から無理にラケットを握らせることはしなかった」と語っており、ベン自身が12歳の時に「本格的にテニスをやりたい」と言い出すまでは、アメリカンフットボールなど他のスポーツも幅広く経験していました。
両親の教育方針
両親は「結果だけでなくプロセスを大切にする」ことを重視。特に父ブライアンは「勝つためのテニス」だけでなく「楽しむためのテニス」を強調し、ベンの明るく自由なプレースタイルの基盤を築きました。母リサは精神的な支えとなり、試合の勝ち負けに一喜一憂するのではなく、息子が自分らしい姿勢で競技に向き合えるよう後押ししてきました。
こうした家族の影響があったからこそ、ベン・シェルトンは短期間で驚異的な成長を遂げ、世界のトップに食い込む力を身につけることができたといえます。
彼女・改名の真相
彼女
2025年、ベン・シェルトンはアメリカ女子サッカー代表であり、ワシントン・スピリット所属のフォワードトリニティ・ロッドマンとの交際を公表しました。トリニティは、NBAレジェンドのデニス・ロッドマンの娘で、アメリカ女子サッカー界の次世代エースとして大きな注目を集める存在です。若くして米代表に選出され、スピードと得点力で世界的に評価されています。
二人の交際はSNSや海外メディアでも大きく取り上げられ、互いの試合を応援し合う姿が話題となりました。例えば、シェルトンが試合後にスタンドにいるトリニティへ笑顔を見せるシーンや、ロッドマンがSNSでシェルトンの活躍を称賛する投稿は、多くのファンに「理想のアスリートカップル」として受け止められています。
ベン自身もインタビューで「彼女の戦う姿勢や日々の努力は、自分にとって大きな刺激になっている」と語っており、テニス以外の分野で活躍するパートナーから強い影響を受けていることがうかがえます。互いに若くしてトップアスリートとして注目されているため、今後の動向にも多くのファンやメディアが関心を寄せています。
改名の噂
インターネット上では「シェルトンが改名したのでは?」という噂が出回ったことがありますが、これは事実ではありません。正式なフルネームはBenjamin Todd Sheltonであり、「ベン(Ben)」は一般的な愛称です。
なお、ミドルネームの「Todd」は母方の叔父であり、ATPツアーで活躍したトッド・ウィツケンに由来しています。彼はシェルトン一家にとって尊敬される存在であり、その名を受け継いだことは家族の絆の深さを物語っています。
このように「改名説」は単なる誤解にすぎず、ベン・シェルトンは一貫して同じ名前で競技活動を行っています。むしろ、祖父母や両親、叔父の影響を受けた「Benjamin Todd Shelton」という名前には、家族の歴史と誇りが込められているといえるでしょう。
観戦ポイント
ベン・シェルトンの試合を観戦する際には、いくつかの特徴に注目するとより楽しめます。爆発力と表現力を兼ね備えたプレーヤーであり、テレビ観戦でも会場観戦でも“見ていて盛り上がる”選手です。
- サーブ:
最大の武器はやはりサーブ。最高時速240km/hを超えるスピードはもちろん、スライスやキックサーブを巧みに織り交ぜてコースを散らす戦略性にも注目です。デュースサイドでのワイド、アドサイドでのセンターTは特に得意パターン。1本のサーブで観客をどよめかせることも多く、その破壊力は映像越しでも伝わってきます。 - フォアハンド:
高い打点で捉えるフォアハンドは、攻撃の起点かつ得点源。リターンゲームでわずかに甘く入ったボールを一気にウィナーへ変える爆発力があります。特にクロスへの強打からストレートへの切り替えは試合の流れを一変させることがあり、観客が最も期待する瞬間の一つです。 - バックハンド:
フォアに比べれば守備的ですが、両手打ちの安定感は年々増しています。スライスでラリーをつなぎ、相手を崩す布石を打つ場面も増加。以前は弱点と見られていたバックですが、近年では試合の中で効果的に使い分けられるようになり、戦術的な幅が広がりました。 - ネットプレー:
サーブ&ボレーやリターンダッシュを仕掛ける積極性も観戦ポイントです。成功したときのダイナミックなボレーやスマッシュは非常に見応えがあり、観客を大いに沸かせます。速攻型の展開を作れるのは、現代テニスにおいて貴重な存在といえるでしょう。 - 感情表現と観客との一体感:
大きなポイントを取った後に拳を突き上げたり、雄叫びを上げるシーンは彼のトレードマーク。2023年全米オープンで見せた「電話を切る」ジェスチャーは大きな話題となりました。プレーだけでなく感情を全身で表現することで、観客も自然と試合に引き込まれます。
こうした要素を意識して観戦すると、単なる試合の勝ち負け以上に「シェルトンというプレーヤーの魅力」を存分に感じられるでしょう。
よくある質問(Q&A)
サーブはどれくらい速い?
最高150mph(約241km/h)を記録しており、ツアーでもトップクラスのスピードです。2023年全米オープンでは149mphのサービスエースを2本決め、大きな話題となりました。
グランドスラムの最高成績は?
2023年全米オープンと2025年全豪オープンでベスト4に進出しています。ウィンブルドンでは2025年にベスト8、全仏ではベスト16が最高成績です。
使用ラケットは?
Yonex EZONE 98(98平方インチ、16×19パターン)を使用。ストリングはポリツアーストライクとポリツアープロのハイブリッドを選んでいます。テンションは約57/54lbとされています。
家族は?
父ブライアンは元ATP世界55位で現在は専属コーチ、母リサも元ジュニア選手。母方の叔父トッド・ウィツケンはシングルス最高19位・ダブルス最高4位の元ATPトッププロで、テニス一家に育ちました。
彼女は?
2025年にアメリカ女子サッカー代表のトリニティ・ロッドマンとの交際を公表。SNSでも互いを応援する姿が話題となっています。
改名したの?
改名の事実はなく、フルネームはBenjamin Todd Shelton。「ベン」は愛称で、ミドルネームのToddは母方の叔父トッド・ウィツケンに由来します。
得意なサーフェスは?
ハードコートを最も得意としています。爆発的なサーブとフォアを最大限に生かせるため、全米オープンやジャパン・オープンで好成績を残しています。
苦手なサーフェスは?
クレーコートはまだ経験が浅く、ラリーの粘りが要求される場面では課題もあります。ただし、2024年の全仏オープンでベスト16に進出するなど着実に適応力を高めています。
同世代のライバルは誰?
カルロス・アルカラス(2003年生)、ヤニック・シナー(2001年生)、ホルガ・ルーネ(2003年生)らと同世代で、よく比較されます。それぞれ異なるスタイルを持ち、男子テニスの次世代を担う存在です。
ベン・シェルトンの試合はどこで見られる?
ATPツアー公式放送(WOWOW、Tennis TVなど)やグランドスラム中継で観戦可能です。日本ではジャパン・オープンで再びプレーする可能性が期待されています。
「電話を切る」ポーズの意味は?
2023年全米オープンで勝利を決めた際に見せたジェスチャーで、電話を切る仕草を模したもの。SNSで拡散され、シェルトンのトレードマークの一つとなりました。
まとめ
ベン・シェルトンは、爆発的なサーブと左利きの角度を武器に世界トップに上り詰めたスターです。日本で初タイトルを獲得し、世界6位に到達。ラケットはYonex EZONE 98、シューズはOn。家族はテニス一家で、プライベートではトリニティ・ロッドマンとの交際も話題。今後のグランドスラム制覇に大きな期待がかかります。
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