ステファノス・チチパス徹底解説|戦績・ランキング推移・片手バックの魅力と日本との関わり

2025/08/31

テニス 補助-プロ選手解説

ステファノス・チチパス 徹底ガイド用サムネイル|片手バックハンド・主な戦績・ランキング推移・日本との関わり

ステファノス・チチパスは、片手バックハンドの美しさと大胆なネットプレーで世界の頂点を争ってきたギリシャのトップ選手です。本文では「主な戦績とランキング推移」を押さえつつ、プレースタイルの要点、話題になったトイレットブレイクとルール、家族・コーチ・私生活の最新事情、日本との意外なつながり、使用ラケットまで、初心者にもわかりやすく整理して紹介します。

主な戦績とランキング推移

チチパスは2018年に初優勝(ストックホルム)で頭角を現し、2019年にはシーズン最強を決めるATPファイナルズを初出場で制覇。決勝でドミニク・ティームをフルセットで下し(6–7, 6–2, 7–6)、翌年以降のトップ戦線定着を決定づけました。2021年は全仏オープンで初のグランドスラム決勝(対ジョコビッチ)に進出し、世界ランクは8月に自己最高の3位へ。2022年はモンテカルロで大会連覇、2024年は同大会で3度目の優勝を飾り、クレー巧者としても評価を高めます。

2023年は全豪オープン決勝に進み(対ジョコビッチ)、ハードでも頂点を狙えることを証明。2024年のパリ五輪では男子シングルス準々決勝に進出(会場はローラン・ギャロス)。そして2025年はドバイでツアー12勝目にして悲願のATP500初タイトルを獲得(決勝はオジェ=アリアシムにストレート)。一方で怪我やフォームの迷いもあり、2025年夏には世界ランクが20位台後半まで下がる時期もありました。全体として「頂点争い→試行錯誤→再浮上」の波を繰り返しながら、依然としてビッグタイトルを狙える位置にいます。

  • 主なハイライト:2019 ATPファイナルズ優勝/2021 全仏準優勝/2023 全豪準優勝/2021・2022・2024 モンテカルロ優勝/2025 ドバイ優勝
  • 自己最高ランク:世界3位(2021年8月9日)
  • 五輪:パリ2024 男子シングルス準々決勝進出

年表で見る伸長と“波”

  1. 2018:初タイトルでブレイク。
  2. 2019:ATPファイナルズ制覇で“次世代筆頭”へ。
  3. 2021:全仏準優勝&世界3位到達。
  4. 2022:モンテカルロ連覇でマスターズ安定感。
  5. 2023:全豪準優勝、ハードでも頂点間近。
  6. 2024:モンテカルロ3勝目、五輪QF。
  7. 2025:ドバイでATP500初優勝も、怪我や不振で浮沈。

片手バックハンドの“型と実用性”をやさしく解説

チチパスの象徴は、現代では少数派となった片手バックハンド。高い打点でのライジング、滑るスライス、弧を描く強打を一本のフォームで使い分けます。テークバックは大きく円を描く軌道で、打点は体のやや前。腕力で叩くのではなく、体幹の回転と下半身の粘りを連動させ、フォアに匹敵する決定力まで引き上げられるのが強みです。

片手は高い技術を要しますが、メリットは多彩です。(1)ライジングで時間を奪う(2)スライスで弾道と球威を崩す(3)上から“かぶせる”ドライブで角度を作る。クレーでは高い弾みのボールに対しても引けを取らず、芝ではスライスの伸びでリターンゲームを有利に運べます。初中級者が真似するなら、肘を体幹に近い位置に保ち、打点で前足をしっかり踏み込むのが近道です。

フォアハンドとサービス:主導権を握る“二大エンジン”

フォアは東寄りのグリップから強いトップスピンとライナーを両立。ショートクロスで相手を外に追い出し、オープンスペースに逆突きするワンツーパンチが代名詞です。深く重いフォアで押し込み、甘い浮き球を見逃さず前に詰めて決め切る——この“押して、詰めて、仕留める”リズムが勝ちパターン。

サーブは身長193cmのリーチを生かし、センターへのフラットとワイドのスライスを打ち分け。1stでリターンを崩し、2ndはキック回転で高く弾ませてバック側を狙うのが基本。ネット前の処理も巧みで、シングルスでもサーブ&ボレーを織り交ぜ、相手に“考えさせる”時間を与えません。観戦のコツは、1stの配球→次のフォアのコース→前進の有無をセットで見ること。展開が一段と読みやすくなります。

“トイレットブレイク”をめぐる議論と現在のルール

2021年の全米オープンでの長めのトイレットブレイクをきっかけに、試合の流れを断つ行為ではないかと議論が拡大。これを受けてATPは2022年から「1試合1回・最大3分(着替えは+2分)」に明確化しました。現在はセット間にのみ許可され、時間超過にはタイムバイオレーションが科されます。ルールが整備されたことで、近年は同様のトラブルが起きにくくなりました。テニスはメンタルの比重が大きい競技。ルーティーンやリセットのとり方は人それぞれで、ルールの枠内で“公平さ”を担保する仕組みが整った、と言えるでしょう。

日本との関わり:東京は「第二の故郷」のような場所

チチパスはアジアスイング、とくに東京が大好き。インタビューで「東京は第二の故郷のよう」と語るほどで、日本文化やアニメにも親しんでいます。日本のファンとの交流エピソードも多く、ツアー優勝を日本の女の子に捧げた話や、楽天オープンで日本語や毛筆に挑戦した場面が話題に。礼儀正しさと柔らかい物腰で、現地ファンの心をつかんでいます。

観戦・応援のヒント

  • 東京やアジア大会ではSNSでの発信が増える傾向。現地ファンへの丁寧なコメントにも注目。
  • 日本時間のナイトマッチはライブ観戦しやすい。配球の工夫やネットアプローチの頻度に注目すると更に面白い。

家族・コーチ・私生活の最新事情

父アポストロスは長年のコーチで“チーム・チチパス”の中核。母ジュリアは元プロで、競技への姿勢やメンタル面でも大きな影響を与えてきました。2025年には名将イワニセビッチを短期間招聘したのち、父アポストロス体制に回帰。プレースタイルの再整理と健康管理の徹底など、足元を固める方向へ舵を切っています。

私生活では、スペインのトップ選手パウラ・バドーサとの関係が度々報じられましたが、2025年夏にふたたび破局が伝えられました。双方がキャリアと健康課題に向き合う中での選択とされ、現在は各自のツアーに専念。ファンとしてはコートの上での充実を第一に、静かに見守りたいところです。

メンタル面の強化と再浮上の鍵

  • サーブのキープ率:短期的には指標が安定の物差し。要所の1st確率を戻せば勝ち星は自然に増える。
  • バックの使い分け:強打・スライス・ブロックの選択を明確化し、深さ優先でエラーを減らす。
  • 前進の勇気:ネット前の決定力は武器。ラリーが長引く前に“詰める”判断を増やすと好循環。

使用ラケットとセッティング:まねるなら“ここ”だけ

チチパスはウィルソンのBlade 98(18×20)系を長く使用。ストリングはLuxilon 4Gをベースに張ることで知られ、張りの強い打感とテンション維持でコントロールを重視するのが特徴です。プロはプロストックと呼ばれる個体を細かく調整し、総重量・バランス・スイングウエイトを自分の感覚にチューニングしています。

一般プレーヤー向けの選び方(失敗しない三箇条)

  1. 面98前後・やや重め:最初から重すぎると振り負けやすい。305g±の量販モデルからが安全。
  2. ストリングは柔らかめから:4Gは硬め。まずは柔らかいポリやナイロンから入り、肘に優しいテンションで。
  3. “1本で全部”を求めない:試合用と練習用でテンションを変えるなど、小さな調整を重ねるのが上達の近道。

よくある質問(FAQ)

戦績・ランキング編

Q. グランドスラム優勝は?
A. まだ未達ですが、全仏・全豪で準優勝。マスターズとATPファイナルズのタイトルはあり、総合力は十分です。
Q. 最近の成績が不安定なのはなぜ?
A. 背中などコンディションの問題や、コーチ体制の変更・フォーム調整が重なった時期が影響。ただし大舞台で爆発的に勝ち上がる潜在力は継続しています。
Q. 世界ランキングの最高位は?
A. 2021年8月に記録した世界3位が自己最高位です。

ラケット編

Q. 18×20のメリットは?
A. 目が細かく軌道が安定。フラット〜薄い当たりで狙いを外しにくい反面、スピンは自力でかける必要があります。
Q. 4Gは誰に向く?
A. 打点が安定し、振り切れる中上級者向け。初級者は柔らかいストリングから始め、段階的に移行するのがおすすめです。
Q. チチパスが使うラケットは?
A. Wilson Blade 98(18×20)系をベースにしたプロストックモデルです。

その他

Q. 日本との関わりは?
A. 東京を「第二の故郷」と語るほど親日家で、楽天オープンで日本語を書いたり、アニメ好きを公言するなど親近感があります。
Q. トイレットブレイク問題とは?
A. 2021年全米オープンで長めの休憩を取ったことで議論になり、以後ATPがルールを明確化しました。

まとめ

片手バックの芸術性、前へ出る大胆さ、そして逆境からの修正力——チチパスは“攻撃と工夫”で魅せるプレーヤーです。キャリアは山あり谷ありですが、ドバイ優勝やモンテカルロの勲章が示す通り、ピークパフォーマンスはなお世界屈指。配球・前進・決め切りの三拍子が噛み合った時、また大舞台で眩い輝きを放つはずです。

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