2017年全豪オープン決勝|フェデラー vs ナダルの名勝負を徹底解説【AO2017】

2025/11/28

テニス 補助-特集

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2017年全豪オープン決勝フェデラーvsナダル徹底解説|スコア・戦術・名言まで

2017年の全豪オープン男子シングルス決勝、ロジャー・フェデラー対ラファエル・ナダル。このカードが再びグランドスラム決勝で実現したこと自体が「奇跡」と言われました。本記事では、試合までの背景、5セットの詳細な流れ、戦術面のポイント、そしてこの一戦がテニス界とファンにもたらした意味を、初心者にもわかりやすく解説します。

2017年全豪オープン決勝フェデラーvsナダルのイメージ写真

2017年全豪オープン決勝フェデラーvsナダルとは?

2017年1月29日に行われた全豪オープン男子シングルス決勝は、ロジャー・フェデラーとラファエル・ナダルという、テニス史を代表する二人のレジェンドがぶつかった一戦でした。長年、グランドスラムの決勝で数々の名勝負を生んできたライバル同士が、30代半ばに差しかかったタイミングで再び大舞台に戻ってきたことで、「伝説の再来」と世界中のファンを熱狂させました。

スコアはフェデラーの 6-4, 3-6, 6-1, 3-6, 6-3。フルセットにもつれた末にフェデラーが勝利し、キャリア18個目のグランドスラムタイトルを獲得。この試合は、単なるタイトル争いではなく、「怪我からの復活」「スタイルの進化」「ライバル同士のリスペクト」が詰まった、物語性の高い名勝負として語り継がれています。

フェデラーとナダルを襲った怪我と復活のストーリー

この決勝を語るうえで外せないのが、2016年シーズンの二人の苦しみです。フェデラーは膝の手術や背中の問題でツアー離脱を余儀なくされ、「さすがにそろそろ引退も近いのでは?」という空気が漂っていました。ランキングも落ち、グランドスラムの優勝争いから遠ざかっていた時期です。

一方のナダルも、膝や手首の怪我が続き、かつての圧倒的なフィジカルとフットワークに陰りが見え始めていました。「クレーキング」としての強さは健在だったものの、ハードコートでの成績は不安定になり、「全盛期は過ぎた」という見方が増えていたのも事実です。

そんな二人が、同じタイミングで怪我から復帰し、いきなりグランドスラムの決勝まで勝ち上がってきた──。この背景があったからこそ、2017年全豪オープン決勝は、ファンにとって「ただのテニスの試合」以上の意味を持つ一戦となりました。

決勝までの勝ち上がりとコンディション

フェデラーは長いブランク明けで迎えた全豪オープンでしたが、序盤からキレのあるサーブとフォアハンドで試合を支配。準決勝では同胞スタン・ワウリンカとのフルセットマッチを制し、「まだトップで戦える」という存在感を強く印象づけました。

ナダルもまた、試合を重ねるごとにコンディションが上がっていきました。準決勝ではグリゴール・ディミトロフと約5時間に及ぶ大激戦を演じ、最後はナダルらしい粘りと勝負強さで勝利。フィジカル的には相当な負担がかかっていたはずですが、それでも決勝の舞台に立った姿は、まさに「戦士」という言葉がふさわしいものでした。

こうして、怪我や不調を乗り越えた二人が、再びメルボルンの決勝で向かい合うことになりました。「もう二度と見られないかもしれない」とさえ思われていたカードが実現したことで、世界中のテニスファンの期待は最高潮に達していました。

第1セットから第5セットまでの試合展開

ここからは、2017年全豪オープン決勝の試合展開をセットごとに振り返っていきます。スコアだけでなく、「どんな流れだったのか」「どちらが何を変えてきたのか」に注目すると、この試合の奥深さがより見えてきます。

第1セット:フェデラーが攻撃的なテニスで先手(6-4)

立ち上がりからフェデラーは、強烈なファーストサーブとフォアハンドを軸に攻撃的なテニスを展開しました。サービスゲームをテンポ良くキープしながら、リターンゲームではナダルのセカンドサーブを積極的に叩きにいきます。ブレークポイントでしっかり取り切ったフェデラーが6-4で第1セットを先取し、理想的なスタートを切りました。

第2セット:ナダルの粘りとスピンが機能(3-6)

第2セットに入ると、ナダルが徐々にリズムをつかみます。深く高いスピンボールでフェデラーのバックハンドを狙い続け、ラリーを長くしていく展開に持ち込みました。フェデラーのミスが増えたこともあり、ナダルがブレークに成功。3-6でセットを取り返し、試合はイーブンに戻ります。

第3セット:フェデラーのギアチェンジ(6-1)

第3セットは、フェデラーのギアが一段と上がったセットでした。早いテンポでの攻撃的なリターン、ライン際を突くバックハンド、そしてネットへの積極的なアプローチ。ナダルに時間を与えないテニスを徹底し、一気に主導権を奪います。結果は6-1とワンサイド。このセットが、戦術面での大きなターニングポイントになったと言えるでしょう。

第4セット:ナダルのしぶとさが再び炸裂(3-6)

しかし、ここで終わらないのがナダルです。第4セットでは、再び深いスピンと粘り強いフットワークでフェデラーを後ろに追いやり、ラリー戦のペースを取り戻しました。フェデラーのウィナーがやや減り、逆にアンフォーストエラーが増えたこともあり、3-6でナダルがセットを奪取。勝負は最終セットにもつれ込みます。

第5セット:ナダルのリードから、フェデラーの驚異の逆転(6-3)

ファイナルセットの序盤、先にブレークを奪ったのはナダルでした。「このままナダルが押し切るか」と思われた場面で、フェデラーが驚異的な集中力を発揮します。リスクを取った攻撃的なリターンがライン際に決まり始め、バックハンドのダウン・ザ・ラインが何度もウィナーとなりました。

流れを一気に引き寄せたフェデラーは、連続ブレークで逆転に成功。そのまま6-3で第5セットを取り切り、劇的な勝利を収めました。試合を決めた最後のポイントまで攻撃の手を緩めなかった姿勢は、多くのファンの心に焼きついています。

フェデラーから見たセットごとの流れ 第1 第2 第3 第4 第5 6-4 3-6 6-1 3-6 6-3
2017年全豪オープン決勝でフェデラーが各セットをどう取ったかを、スコアとともに一目でわかるようにまとめた図解です。

フェデラーのネオ・バックハンドと戦術の進化

2017年全豪オープン決勝を語るうえで、多くの解説者が注目したのがフェデラーのバックハンドの進化です。長年、ナダルの高いトップスピンによってバックハンド側を徹底的に攻められ、守りに回る展開を強いられることが多かったフェデラー。しかしこの大会では、むしろ「バックハンドで主導権を握る」場面が目立ちました。

打点を前に取り、高い位置から叩くフラット寄りのバックハンド。クロスだけでなく、ダウン・ザ・ラインへの強打も多用し、ナダルにとってはこれまでとは違うプレッシャーになっていました。ナダルのスピンボールを「我慢して返す」のではなく、「攻撃に変える」意識が徹底されていたのが、これまでとの大きな違いです。

また、試合全体を通してフェデラーは、ポイントの早い段階で主導権を握ることを意識していました。

  • セカンドサーブでも積極的にコースを突く
  • 短いボールにはすぐに踏み込んで攻撃する
  • ネットへの前進でラリーを短く終わらせる

こうした「攻撃的で時間を与えないテニス」が、ナダルのリズムを崩すうえで大きな効果を発揮しました。特に第3セットと第5セット後半のフェデラーは、まさに“ゾーン”に入ったかのようなプレーで、ナダルのスピンをものともせずウィナーを量産していました。

ナダルのメンタルとフィジカルの強さが光ったポイント

フェデラーの優勝に注目が集まりがちですが、この試合でナダルが見せた精神力とフィジカルも、間違いなく主役級でした。特に注目したいのは、ディミトロフとの長時間の準決勝のあとにもかかわらず、決勝であれだけの粘り強さを発揮した点です。

第2セットと第4セットでは、ナダルらしいしぶとさが前面に出ていました。深く高いスピンボールでフェデラーを後ろに押し下げ、ラリーを長くすることで、相手にリスクの高いショットを強要します。ミスを恐れないフェデラーの攻撃を受け止めながらも、重要なポイントではきっちりと決め切る勝負強さは、まさに「王者ナダル」そのものでした。

また、ファイナルセット序盤で先にブレークを奪った場面も、ナダルの集中力とメンタルの強さを象徴しています。結果的にはフェデラーの猛攻に押し切られたものの、最後のポイントまで決して諦めない姿勢に、世界中のファンが心を揺さぶられました。

私がライブ観戦して感じた “鳥肌の瞬間”

私自身、この試合をテレビでライブ観戦していましたが、特に第5セットは手に汗握る展開で、画面から目を離せませんでした。ナダルが先にリードを奪ったときには、「やっぱりナダルは勝負強い」と思いながらも、どこかでフェデラーの反撃を期待している自分がいました。

そしてフェデラーがバックハンドのダウン・ザ・ラインを連発し始めた瞬間、「本当にテニスの神様がいるのかもしれない」と感じるほどのゾクゾクする展開に。最後のポイントを取り切って天を仰いだフェデラーの姿は、今でもはっきりと思い出せます。

2017年全豪決勝がテニス界とファンに残したもの

2017年全豪オープン決勝は、単にフェデラーがタイトルを増やした試合というだけでなく、「ベテランでもスタイルを進化させれば再び頂点に立てる」ということを証明した一戦でした。フェデラーはこの優勝をきっかけに、同年のウィンブルドンでも優勝し、キャリア後半の黄金期を築いていきます。

ナダルにとっても、この試合は大きな転機となりました。全豪では惜しくも敗れたものの、その悔しさをバネにクレーコートシーズンで圧倒的な強さを発揮し、全仏オープンでの通算10度目の優勝という偉業を達成します。まさに「二人の復活劇」が同時進行していたのが、この2017年シーズンでした。

名言に込められた“ライバル以上の関係”

表彰式でフェデラーが語った、「もしテニスに引き分けがあるなら、この試合はラファと分け合いたい」という言葉は、多くのファンの心に残る名言として今も引用されます。激しいライバル関係でありながら、お互いを最大限にリスペクトしているからこそ出てきた一言です。

この試合をきっかけに、「フェデラーとナダルのライバル関係は、スポーツの理想形の一つだ」と評価する声も増えました。勝つために全力を尽くす一方で、相手を尊敬し、称え合う姿勢は、多くのスポーツファンにとって一つの指標になっています。

よくある質問:2017年全豪フェデラーvsナダルQ&A

Q. 2017年全豪オープン決勝のスコアは?

A. ロジャー・フェデラーがラファエル・ナダルを 6-4, 3-6, 6-1, 3-6, 6-3 のフルセットで破りました。第3セットと第5セットでフェデラーが一気にギアを上げたことが勝因の一つです。

Q. 試合の見どころはどこ?初心者でも楽しめるポイントは?

A. テニス初心者なら、まずは「ラリーが長く続く場面」「どちらが攻めているか」に注目してみるのがおすすめです。特に第4セットのラリー戦と、第5セット終盤のフェデラーの攻撃的なバックハンドは、テニスの面白さがぎゅっと詰まったシーンと言えます。

Q. フェデラーのバックハンドは何が変わったの?

A. 一言でいえば、「守るショットから攻めるショットに変わった」と言えます。打点を前に取り、よりフラット気味に叩くことで、ナダルのスピンボールを逆に利用してウィナーを狙えるようになりました。これが2017年全豪決勝の大きな戦術的ポイントです。

Q. この試合はどんな人におすすめ?

A. テニスファンはもちろんですが、「何歳からでも再スタートできる」「怪我や挫折から復活したい」と思っている人にもおすすめの試合です。二人の姿から、スポーツを超えた勇気や希望を感じられるはずです。

まとめ:フェデラーとナダルの伝説はこれからも語り継がれる

2017年全豪オープン決勝フェデラーvsナダルは、テニス史に残る名勝負であると同時に、「進化すること」「諦めないこと」の大切さを教えてくれる試合でした。怪我からの復活、スタイルの変化、ライバルへのリスペクト──そのすべてが詰まったこの一戦は、これからも世界中のテニスファンの間で語り継がれていくはずです。もしまだフルマッチを観たことがない方は、ぜひ一度通して観てみてください。きっと、テニスというスポーツがもっと好きになると思います。

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